
なび丸、ジェンツーペンギンってどんなペンギンなの?

実は“飛ぶように泳ぐ”って言われるくらい、水中のスピードがすごいんだ!

名前の由来や行動もユニークで面白いよ!
はじめに
ペンギンといえば、南極や北極の寒冷な地域を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、実はペンギンの種類は18種類もあり、それぞれが独自の生態や習性を持っています。その中でも、ジェンツーペンギンは最も人気の高い種類の一つです。
黒と白のコントラストが美しい体型、愛らしい行動、滑稽なしぐさなど、ジェンツーペンギンには魅力がたくさん詰まっています。今回は、このユニークで興味深いペンギンの世界に迫りたいと思います。
基本情報

まずは、ジェンツーペンギンの基本的な情報から確認していきましょう。
名前の由来
ジェンツーペンギンの名前の由来には、少し面白い話が隠されています。「ジェンツー」という呼び名は、フォークランド諸島でインド系の人々が使っていた言葉に由来しているそうです。
彼らは、ジェンツーペンギンの頭部にある白い帯模様を見て、それがターバンに似ていると感じたのだとか。一方、学名の「パプア」はパプアニューギニアに由来しますが、実はジェンツーペンギンとパプアニューギニアには何の関係もありません。この学名はただの間違いの産物だったのです。
こうした些細な出来事があったからこそ、ジェンツーペンギンにはユニークな名前がつけられたのかもしれません。
サイズと特徴
ジェンツーペンギンは、ペンギンの中では大型の部類に入ります。
体長は51cm〜90cmで、体重は5kg〜8.5kgほどになります。ペンギン18種類の中で3番目に大きい種類なのです。
成鳥は頭部と背中側が黒く、腹側が白い典型的なペンギンの模様をしています。足はピンク色または橙色をしており、くちばしは赤味がかったオレンジ色が特徴的です。一方、幼鳥は地味な色をしており、羽毛はフワフワしているそうです。
このようなジェンツーペンギンの外見は、南極の厳しい環境にもうまく適応しているのでしょう。
生息域と習性
ジェンツーペンギンの生息域は、南極周辺の海域になります。アデリーペンギン属の中では最も北に分布しているため、比較的温暖な気候に恵まれているのかもしれません。
非繁殖期には海で生活し、主にオキアミを捕食しています。しかし、シャチやヒョウアザラシなどの大型の海洋生物には注意が必要な天敵なのです。
一方、繁殖期には円形に石を積み上げて巣を作ります。ふつうは130gほどの卵を2個産み、オスとメスが協力して抱卵や育雛を行うのが特徴的です。
観察ポイント

ジェンツーペンギンは人気の高いペンギンですが、その魅力は外見だけにとどまりません。実際に観察してみると、さまざまな興味深い行動が見られるのです。
コロニーを形成する様子
ジェンツーペンギンは繁殖期になると、数組から数千組のつがいが集まってコロニーを形成します。このコロニーでは、オスとメスが協力して巣作りや子育てを行うことができるのです。
巣作りの際には、周囲の石を運んで円形の巣を作ります。一つ一つの行動を見ていると、ペンギンたちの協調性や家族愛に触れられるはずです。
また、コロニーが形成されると、ペンギンたちはお互いを認識し合うようになります。親子関係や夫婦関係を確認する様子も見られ、ペンギンたちの社会性の高さがうかがえます。
泳ぐ姿と潜水能力
水中に生息するジェンツーペンギンの泳ぐ姿は、まさに流線形の極みといえるでしょう。
強力なフリッパーを使って最高時速35kmまで泳ぐことができ、最長7分間の潜水も可能です。ペンギンが海中を滑るように泳ぐ様子は、まるで空を飛んでいるかのようです。
一方で、陸上での動きはぎこちないそうです。水中と陸上では、全く異なる表情を見せるジェンツーペンギン。この対比も興味深い観察ポイントになるはずです。
ユニークな行動
ジェンツーペンギンは、他のペンギンには見られない独特の行動も見せてくれます。例えば、「おじぎ」という行動があります。
これは、ペアのペンギンが縄張りを守るために行う仲間意識の表れなのだとか。ペアのペンギンは寄り添って歩き、小さな声を出しながらおじぎをします。一方、ペアではないペンギンが近づくと、おじぎをせずに攻撃して追い払うのだそうです。
このように、ペンギンたちにはユニークなコミュニケーションの仕方があるのです。観察を続けていけば、新たな発見があるかもしれません。
飼育と保護活動

ジェンツーペンギンは人気の高い種類ですが、一方で保護の対象にもなっています。ここでは、ジェンツーペンギンの飼育と保護活動について見ていきましょう。
水族館での飼育
日本の水族館でも、ジェンツーペンギンを見ることができます。例えば、長崎ペンギン水族館でジェンツーペンギンが飼育されています。
屋内の展示スペースでは、プールから勢いよく飛び上がる姿が見られるそうです。また、ハンドフィーディングによる個体の健康管理や運動不足の解消にも取り組んでいるところもあります。
水族館での飼育を通して、ジェンツーペンギンの生態や習性を間近で観察できるだけでなく、種の保護にも貢献できるのです。
個体数と保護活動
ジェンツーペンギンの個体数は、比較的多い種類に属します。
IUCN(国際自然保護連合)の2017年度版レッドリストによると、最近の繁殖するつがいは約38万7千組と推定されており、増加傾向にあるそうです。しかし、一方で気候変動や海洋汚染、過剰な捕獲などの影響を受けているのも事実です。
そのため、ジェンツーペンギンの生息地や繁殖地の保護、生態系の維持など、さまざまな保護活動が行われています。私たち一人一人が環境保護に関心を持つことが、ジェンツーペンギンの未来につながるのです。
まとめ
ジェンツーペンギンは、愛らしい外見と独特の行動で多くの人を魅了してきました。しかし、その一方で気候変動などの影響を受けており、保護活動が欠かせません。
今後も、ジェンツーペンギンの飼育や観察を通して、さらなる理解を深めていくことが重要でしょう。そして、一人一人が環境保護に関心を持ち、ジェンツーペンギンの未来を守っていくことが求められます。南極の大自然の中で生きるジェンツーペンギンの姿は、私たちに多くの教訓を与えてくれるはずです。
よくある質問
ジェンツーペンギンの名前の由来は?
ジェンツーペンギンの名前の由来は、フォークランド諸島でインド系の人々が使っていた言葉に由来しているそうです。彼らは、ペンギンの頭部にある白い帯模様をターバンに似ていると感じたのだと考えられています。
ジェンツーペンギンの特徴は?
ジェンツーペンギンは大型のペンギンで、体長は51cm〜90cm、体重は5kg〜8.5kgほどになります。成鳥は頭部と背中側が黒く、腹側が白い典型的なペンギンの模様をしており、足はピンク色または橙色、くちばしは赤味がかったオレンジ色が特徴的です。
ジェンツーペンギンの生息域と習性は?
ジェンツーペンギンの生息域は南極周辺の海域で、非繁殖期には海で生活し、主にオキアミを捕食しています。一方、繁殖期には円形に石を積み上げて巣を作り、オスとメスが協力して抱卵や育雛を行います。
ジェンツーペンギンの保護活動について教えてください。
ジェンツーペンギンは人気の高い種類ですが、気候変動や海洋汚染、過剰な捕獲などの影響を受けているため、生息地や繁殖地の保護、生態系の維持など、さまざまな保護活動が行われています。
私たち一人一人が環境保護に関心を持つことが、ジェンツーペンギンの未来につながります。